福岡県

筑紫野市発『晴だこ』2人が目指す地元の味


西鉄二日市駅近く、タコ焼き屋『晴だこ HARUDAKO』を紹介する。昨年12月オープンとまだ日が浅いながら、口コミのみでジワジワと評判が広がりつつある。
従業員は本店の店長を務める今田慎二郎さんと、キッチンカー及び本店夜の部を担当している桐山一郎さん。2人は同じ北九州の出身で、中学高校と同じ学校に通った竹馬の友。大学こそ別々だったものの、就職先はまたもや同じと、実に30年あまりの付き合いだそうだ。その仲の良さ、気の置けない間柄がお店の運営に活かされているのかと尋ねたところ、今田さんの口から予想外の返事が返ってきた。

「仕事をする上での相棒であって、とりわけ仲が良いというわけではありません」


意外にも2人は、子供の頃から一緒に遊んだ思い出が殆どないのだそうだ。今田さんが料理と音楽が趣味で根っからのインドア派なのに対して、桐山さんは社交的でオートバイやマリンスポーツなどのジャンルでもちょっとした有名人。プライベートの過ごし方も違えば、性格も正反対とのこと。そこまで食い違っているなら、むしろ疎遠になるのが自然のような気がする。

「なぜか、お互いに欠けている部分がピッタリとはまるんです。足りない部分を自然と補いあえる関係というか、気が付いたら一緒にいる感じですね」

そしてその絶妙のカップリングには、タコ焼きの要素がそのまま当てはまるように感じた。例えるなら、コリコリしていて鮮度が命のタコが桐山さん、ふっくら柔らかくて味わい深いタネ(生地)が今田さんだ。


▲過度のデコレーションを省いた、潔いほど飾りげのないソース味のタコ焼き(500円)。オリジナルブレンドのマヨネーズが、甘いソースの上に絶妙の酸味だけを残して、瞬く間に溶けて消える。


▲晴だこを語る上で欠かせないのが、舟の端に添えられた「博多薬味」の存在。博多ラーメンの辛味ダレにヒントを得て、タコ焼きソースとの相性を考えて改良を施したもの。

「北九州の片田舎で育ったせいか、子供の頃はまわりにタコ焼きを置いている店がなかったんです。お祭りの時にだけ食べられる、ハレの日の食べ物でした」と語るのは、広報担当をもって自任する桐山さん。
「少ない小遣いを握りしめて、ドキドキしながら屋台に並んでました」と当時を懐かしむ。しかし子供心にも「なけなしの小遣いを注ぎこむだけの、価値のあるタコ焼きには巡り会えなかった」のだそう。

大学卒業後は学習教材を扱う会社に就職した桐山さん。粉もの好きが高じて、20代の終わりにはタコ焼き屋行脚の旅に出た。その間も、ずっと胸に燻り続けていたのは、子供の頃の原体験だ。そしてこれを契機に、プロのタコ”焼き師”へと、大胆な進路変更を図る。

「ありとあらゆる店を食べました。中でも一番衝撃を受けたのは、大阪の有名店『わなか』さんでしょうか。タネのトロトロ具合やソースの甘さなど、晴だこも大いに影響を受けてます」
その一方で『築地 銀だこ』のような、いわゆる大阪的でないタコ焼きの長所も大胆に取り入れている。

「大阪のタコ焼きはイートインが主体、九州のタコ焼きはテイクアウトが前提。僕らはその真ん中、持って帰って再加熱しなくても美味しい、ギリギリのところに新境地を見つけたい」
桐山さんは自信ありげにこう続ける。
「そのためには、大阪の味でも九州の味でもない、地元の味を確立することが大切です」


▲ソースネギ(550円)は素朴な見た目ながら、桐山さんが職人の舌と技術を過不足なく注ぎこんだ一品。「博多薬味」との相性が抜群に良い。


▲試作に試作を重ねて編み出したタネは、時間の経過とともに美味しさを落とさない代償として、火が通るまでに通常の倍近い時間がかかる。ためしに素焼き(ソース、マヨなし)でご賞味あれ。

そしてそれら、桐山さんの職人としての誇りや信条、妥協を許さない味への執念・・・晴だこの真ん中にあるコリコリした部分を、柔らかい生地でふんわり包み込むのが今田さんの存在だ。

「私はなんにもコダワリません。そういうのは桐ちゃん(桐山さん)の担当なので」と、屈託なく笑う。以前はシンガポールの高島屋地下で、モダン焼きを焼いていたという異色の経歴を持つ今田さん。晴だこの大人気メニュー「岩塩チーズ(550円)」の生みの親でもある。


▲タコ焼きらしい味付けは使わずに、一目で「これは美味しい」と確信できる岩塩チーズは、逆に賛否両論を招くかもしれない。固定観念にとらわれない今田さんならではの発想だ。

ゆくゆくは店を大きくするのが目標だが、今はまだその時ではないと2人は言う。
「地元でファンを作って、晴だこの味をしっかり定着させていきたいです。真面目にコツコツやっていれば、必ず受け入れてくれるのがホームのありがたいところですから」

今後は地元で採れた農作物などともコラボしていきたいと語る晴だこさん。2人の作り出す地元の味から、今後ますます目が離せなくなりそうだ。

▼晴だこ HARUDAKO
福岡県筑紫野市二日市中央4-11-25
080-7988-8088
〇本店
月曜日〜金曜日 11時〜21
土曜、祝日 11時〜17時
日曜定休
〇キッチンカー
毎週 木/金 ゆめ畑 大宰府店
毎週 土/日 ゆめ畑 筑紫店
(キッチンカーのスケジュールは変動あり。詳しくはFacebookを参照のこと)
https://m.facebook.com/harudako/
西鉄大牟田線二日市駅より徒歩1分
駐車場なし

関連記事

  1. よしもと映画福岡上映決定すち子来福!舞台挨拶も!
  2. 福岡の家庭の味・旨か唐揚が簡単に作れる万能醤油
  3. 度肝を抜かれる真っ黒石炭ソフトクリーム!?
  4. 熊本チャリティ上映会「うつくしいひと」中洲大洋劇場
  5. 新生「ROOT FIVE」新曲発売・全国ツアー情報
  6. 菅公伝説の陰に・・・『紅姫供養塔』
  7. 6作品上映!台湾映画祭2016 福岡アジア美術館
  8. 天拝山の紫陽花情報と夏の甘味

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP