大分県

片足15キロの大わらじ完成で、ひょうたん様もご満悦

大分県豊後大野市千歳町では、毎冬恒例の「ひょうたん祭り」が2016年12月4日(日)に開催されるが、ひょうたん様になくてはならない伝統の大わらじが完成した。早速、昔ながらの台秤(だいばかり)で量ったところ、その重さは、片方だけで15キログラムほどで、携わった方々も「ヨッシャーッ」と大喜びだった。
千歳町の「ひょうたん祭り」は、その年、順番で座元となる地区の皆さんが、「大わらじ」や「しめ縄飾り」などを作るのが決まりだ。なお、今年使用したのは、千歳町の柴山産の餅米を刈り取った後の稲わら。漂う新わらの香りに、ご利益もひと際だろうな、と嬉しくなる。
「ひょうたん祭り」を間近にした11月27日(日)、大わらじの芯となる縄は、天井から吊り下げ、地区の若手の方々が4、5人がかりで編んだ。
年配の方からは「若い者(し)が頑張ってくれよ。これも練習だから」と声がかかる。なごやかで微笑ましい激励に、ギュッ、ギュッと藁を編む指先に力がこもる。
編まれる縄は、一本の長さが12メートルほどで、それを二本編む。大わらじ二足分だ。
長い縄を4重に張る。これが大わらじの芯になる部分で、それを左右に並べ、同時に二足のわらじを編む。
傍らに横たわるのは、以前の大わらじで、守り継がれる貴重なサンプルだ。
サンプルを参考にしながら、一握り程の稲わらの束を、芯にからめるように編み込んでいく。寸分の隙間も許されない。力を込めて編み込む。
ある程度編んだら、左右にわら束で穴をしつらえる。緒(縄)を通すための穴だ。
仕上げを前に、縦に張った芯(縄)を強く引っ張り、編み込んだ藁の束を、隙間がないようにキッチリと詰めこんでいく。力仕事だが、この詰めが、大わらじの強度を左右するだけに、肝心な作業だ。
さらに編み込むと、全体的なバランスに目を配りながら、左右に二つめの通し穴を作る。左右に2個ずつの通し穴が並ぶと、次第にわらじらしくなってくる。
そして「かえし」と言われるかかとを編み上げる。太めで実にパワフル。両サイドの通し穴に、足の親指と一差し指(?)の付け根から延びる緒(縄)を通せば、わらじの完成だ。
2016年のひょうたん祭りの座元を受け持つのは、千歳町の柴山・下日向久保班14世帯の皆さん方で、大わらじやしめ縄飾りの準備に追われたが、祭りの主役の「ひょうたん様」も、恒例に従い、座元から選出する。因みに、今年、「ひょうたん様」として柴山・下日向久保班の代表、選ばれし任に当たるのは内藤鐵男さん(74歳)で、完成した大わらじを抱え、班のみんなの力が束になったからこその力強さと重量感に、ご満悦の様子だ。
このほか、11月26日(土)27日(日)の二日間で、神楽舞の綱切りに奉納する俵や各所に取り付けるしめ縄なども用意された。大蛇に見立てた綱と俵だ。
しめ飾りも、祭り当日は「流鏑馬(やぶさめ)スタート地点」のほか「柴山・高畑堺」や「田崎の中間点」「御幸所のつなぎ場」「座元の出口」に飾られるが、その準備も整った。

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