大分県

吹きガラスと竹と藍染の「竹田の風鈴」で夏を涼やかに

風鈴といえば、日本の夏の風物詩。俳句の世界では、夏の季語としても重宝がられている。
その風鈴、鉄製や陶器、ガラスと、姿かたちは様々だが、大分県竹田市久住町の吹きガラス工房「マグマグラススタジオ」では、この時期限定で、吹きガラス工法による風鈴を販売中だ。
その錘(おもり)、鳴子は、乾燥した竹だ。乾ききった竹は軽い。堅い。風に揺れると、優~しくガラスに触れる。その音は、チリン、チリンと、ある意味、余韻を感じさせないというか、響き渡らない。乾いた音色で、耳に優しく、しつこさを感じさせない。その軽やかさが、予想以上に涼しさを感じさせてくれる。
これが、竹の鳴子だ。
鳴子は、燻したものや輪切り、棒状と形も大きさも様々。その大きさや形によって音色も異なり、鳴子の数だけの音色がある。
風鈴のベルは、大きさ、色合いも、お好み次第のより取り見取り。
とはいえ、どのベルも、この独特の形状、ラインが特徴的で、竹の筒を円状に組み合せて作る型枠で成型することによるものだ。吊るすための紐は、手編みのマクラメというのも嬉しい。
実は、吹きガラス工房「マグマグラススタジオ」を主宰するガラスクリエイターの井上愛仁(なるひと)さん(36歳)は、横浜出身で、2015年7月に竹田市久住町の久住さやかに工房をオープンさせた。竹筒を使って成型する手法を取り入れたのは、それからで、まさに竹田オリジナル、竹田の風鈴だ。
こうして作る作品には、風鈴のほか、ロックグラスや鉢、ぐいのみ、片口などがある。名付けて「KAGUYA」シリーズ。そう、竹といえば、思い浮かぶのが「かぐや姫」。「かぐや姫」にあやかって「KAGUYA」というわけ。まさに、竹から生まれた竹田の風鈴だ。

風鈴には、カラーとクリアとがあり、「naruhito glass」の刻印入りの桐箱とセットになっている。
カラー:7500円
クリア:6500円
なお、この風鈴は、サントリー美術館(東京都)のショップでも販売中で、竹田市では、和菓子の「但馬屋老舗」と「紺屋そめかひ」で買い求めることができる。

風鈴といえば、短冊だが、短冊は竹田の和紙で、「紺屋そめかひ」を主宰する辻岡快さん(39歳)による藍染だ。

辻岡さんは「(マグマグラススタジオの)井上君から短冊の話が合った時、透明感のあるベルに竹の鳴子が、夏に似つかわしいな、と。そして短冊で水のイメージを添えられれば、と思いました」と。
実は、辻岡さんは、自身で20アール程の藍を栽培している。それも有機栽培だ。「健康な藍を育てるには、土中の生き物も含め、自然の流れで循環する土が必要だから化学肥料は使いません」と。
さらに「昔ながらの純粋な藍色をめざしたいし、そのためにも健康な藍を育てたいんです。健康な藍があってこそ、藍の持つ、本来の健康的な色合いが引き出せると思うんです」とも。
<スポット情報>
■サントリー美術館
http://www.suntory.co.jp/sma/
住所:東京都港区東京ミッドタウン 赤坂9丁目7-4
電話:03-3479-8600
休業日:火曜日
MAP
https://www.google.co.jp/maps/place/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E7%BE%8E%E8%A1%93%E9%A4%A8/

■但馬屋老舗
http://www.tajimaya-roho.co.jp/shop/index.html
住所:大分県竹田市竹田町40番地
電話:0974-63-1811
時間:8:00~18:30(本店)
休業日:正月元旦ほか不定休
アクセス:JR豊後竹田駅から徒歩10分

■紺屋そめかひ
http://somekai.com/
住所:大分県竹田市竹田町21番地
電話:0974-62-4188
時間:10:00~17:00
休業日:不定休

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