福岡県

ようこそ道のため来たれ『そば打ち道場 かぜのたみ』


▲こちらが『かぜのたみ』オーナー長友寿男さんの打った蕎麦。比較するのもおこがましいが、しっかり目に焼き付けておいてほしい。

福岡県筑紫野市には評判の良い蕎麦屋が多い。中でももっとも知名度が高いのが、今回紹介する天山の『十割蕎麦 かぜのたみ』(地図を表示する)だ。十割らしからぬスッキリと整った極細麺が、街の喧騒から離れたのどかな環境、築100年の古民家の醸すゆったりとした雰囲気と相まって、たくさんの根強いファンをもつ。


▲お店は昔ながらの住宅街の中にある。周囲の民家に溶け込んでいるので、初めて行くとわかりにくいかも。


▲古い民家の良さをそのまま残した建物。外光だけではやや薄暗いのだけれど、電灯の光が勝ちすぎてもおらず、一息つける居心地の良さを感じる。


▲そば振る舞い(1620円)は前菜、そば粥、そば単品より一品、そばがきのセット。一品ごと驚きがあって、連れとの会話が途切れない。


▲画像の豆乳つけそば(1300円)や、きじそば(860円)など、他ではあまり見ないメニューが揃っている。


▲左上から時計回りに、だし巻き玉子(650円)、そば焼き(650円)、そばパフェ(600円)、そば饅頭(150円)。定番のサイドメニューだけでなく、デザート類も充実している。

かぜのたみ店主の長友さんが、創業当初から蕎麦屋と2本の柱で行っているのが「蕎麦打ち道場」。1回3000円の料金で、時間は1時間弱といったところ。最低限のアドバイスで自由に打たせてもらえ、もちろん打った蕎麦(技量に応じて6〜9玉)は自分で持って帰ることができる。1回こっきりの利用なら単なる蕎麦打ち体験でしかないところが、蕎麦屋開業を目指して通うお客さんもいる本格派だ。


▲長友さん(右)と生徒の男性。すでに何度も通いつめ、腕前はかなりのもの。


▲蕎麦粉は十割を使用している。ぐっと握って手の中で塊ができれば、それが美味しい十割蕎麦が打てる目安なのだそう。ちなみに、写っているのは蕎麦打ち体験中の筆者の手です。


▲左上から時計回りに、1.水回し、2.捏ね、3.ヘソ出し、4.菊練りの各行程。力を入れて捏ねるほどコシが強くなるのかと思いきや、まったく関係がないそうだ。


▲菊練りとヘソ出しは蕎麦粉の塊から空気を抜く作業。そしてこれが完成形。初心者がやると、捏ねても捏ねてもこの形にならない。


▲棒を使って均一の厚さに伸ばす作業。気が急くわりに遅々として進まず、すでに端が乾いてヒビ割れはじめている。

決して侮っていたわけではないけれど、こんなに大変だとは思わなかったというのが正直な感想だ。もっとも、初めての蕎麦打ち体験は、みんなこんなもの。だいたい3ヶ月ほどの練習で形になるそうだ。

蕎麦は収穫期である9月から11月にかけてが一番美味しい。逆に言えば、その時期はどこに行っても美味しい蕎麦が食べられる。季節に応じて20種類以上の蕎麦粉を使い分け、いつでも最良の蕎麦を提供することができるのは、日本中を回って築き上げた蕎麦農家とのネットワークのなせる技だ。「うちは蕎麦粉に絶対の自信を持っていますから、蕎麦打ちの技術は惜しみなくお教えします」とは長友さんの言葉。素材の質にこだわり続け、製粉所で働いた経歴ももつ。そうしてたどり着いた良質な蕎麦粉を十分に活かすためには、確かな蕎麦打ち職人の力が欠かせない。長友さんはその技術を、湯布院の名店『古式手打ちそば 泉』店主、菊地三郎氏に学んだ。


▲金鱗湖のほとりに佇む『古式手打ちそば 泉』 こちらも『かぜのたみ』に負けず劣らず趣の漂う古民家です。


▲細麺とは思えないモッチリした歯ごたえ。本当に十割なのかと疑ってしまう。


▲菊地三郎氏(左)と二代目の正義氏。

菊地さんは御年86歳。さぞや歴史のある暖簾なのかと思いきや、元々の生業は写真館だったそうだ。店を息子に譲り、湯布院で煎餅屋を始めたのが平成元年のこと。その後、美味しい蕎麦屋を探して全国を廻り、弟子入りして現在の『古式手打ちそば 泉』を開業したのがその3年後。還暦を過ぎての再出発だ。以来、泉を手打ち蕎麦の名店に育て上げながら、来るもの拒まずで蕎麦打ちの技術を伝え、後進の指導にもあたってきた。


▲売り切れ必至の「ゆずいなり」も人気メニューの一つ。

「どんなに腕のいい職人であろうとも、質の良い蕎麦粉が手に入らなければ、美味しい蕎麦は打てない」
師匠から弟子へ、そのまた弟子へと、湯布院から続く道は脈々と受け継がれている。『かぜのたみ』もその経由点の一つ。蕎麦打ち名人と呼ばれる人の中にも、そもそものきっかけは蕎麦打ち体験だったという人は多い。関心があれば気軽に門をたたいてみるのをお勧めする。ちなみに今から始めると、今年の新蕎麦の季節に十分間にあいます。



▲最初から上手くできるとは思っていなかったけれど、どうでしょうこの不揃いっぷり。しかし、自分で打った蕎麦だけに味は格別でした。

▼十割蕎麦 かぜのたみ
福岡県筑紫野市天山537-1
092-926-5998
平日
11時30分~15時30分
土日祝日
昼 11時30分~15時30分
夜 17時30分~21時
火曜定休
駐車場あり
(蕎麦打ち道場は予約制、5人以上・近郊であれば出張教室も可能。まずはお電話を)

▼古式手打ちそば 泉
大分県由布市湯布院町川上1269−1
0977-85-2283
11時〜17時
年中無休
駐車場あり

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