鹿児島県

敵討ちの話が薩摩の郷中教育に 「曽我どんの傘焼き」

【鹿児島市高麗町】
 来たる2016年7月30日(土)。鹿児島市高麗町甲突橋下流にあるMBC本社前水上ステージにて江戸時代から続く行事「曽我どんの傘焼き」が開催されます。

今回、鹿児島の歴史と文化に詳しいK10カフェ店長の若松さんにお話を伺いました。

「曽我どんの傘焼き」は1193年(建久4年)の鎌倉時代。富士の裾野で本懐を果たした曽我兄弟の仇討ちが起源です。

薩摩の郷中教育では他の土地で起こった話でも、素晴らしいと思ったものは取り入れていました。
長年に渡り親への「孝」を忘れず相手を討った曽我兄弟の仇討ちを各地域ごとに地元の子供たちに教えるのですが、教育の一環として「曽我どんの傘焼き」も行われる様になったそうです。
この行事は現在でも鹿児島市に残る郷中教育の一環として毎年行われます。

天高く噴き上げる炎に包まれる約6mの傘の櫓はとても神秘的で薩摩の風土を感じさせる行事です。

郷中教育とは?:薩摩独特の教育システム。子供たちを地域(郷)ごとに集め、年上の者が年下の者に対して武士としての教養・人徳・武芸などの教育を行っていた。

曽我兄弟の仇討ちとは?:「赤穂浪士の討ち入り」・「伊賀越えの仇討ち」と共に伝わる日本三大仇討ちの1つ。源頼朝が東国武士の力を京都の公家に認めさせる為に富士の裾野で行った大軍事演習、後に言われる「将軍の大巻狩り」中に起こった事件。親の仇である工藤祐経を、曽我兄弟が母親の反対を押し切り、17年の時を経て将軍の大巻狩り中に本懐を果たした。行事で傘が焼かれるのは、この時傘を松明代わりにして夜間、工藤祐経を探し出した事に由来する。

【追記】
K10カフェの若松店長からいただいたお話を下記に掲載致します。

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郷中教育について、是非付け加えて欲しいのが、二つあります。

一つは、鹿児島三大行事の一番古い習わしが「曽我どんの傘焼き」。他に「赤穂義士伝輪読会」「妙円寺詣り」があります。

二つめは、最近、郷中教育が間違えて伝えられてます。
郷中教育は自ら参加企画型の他人任せや見学型ではないです。誰かに創ってもらうものでなく、自らわが子を、隣近所の子供達を、町内の子供達を育成する教育です。
昔の郷中教育をそのまま真似なくても、今の時代でも誰でも出来るのです。
言わば町中教育。各町内には多種多様な知識技術資格免許や幼稚園、小中高大学校の先生、政治家、宗教家、ビジネス家、武道家、スポーツ経験者、芸術家、ボランティア奉仕運動家、趣味特技保有者、子育て経験豊富な女性達、数えきれない人材が沢山住んでます。子供達をその先生先輩達に導き将来に生かせてやることが出来ます。片寄りや偏見がないように町内で話し合い町中教育するのです。
その一番いい例が、鹿児島三大行事や薩摩の伝導文化や歴史、偉人伝なのです。
温故知新、「いにしえの道を聞いても」です。人に頼ったり、人に創ってもらうものでなく、自ら地域の子供達育成を呼び掛ける機会に見学に来て欲しいです。
郷中教育出身者から、鹿児島市内の城下から千人の偉人が育ち日本を創ってきました。千年続いた武士社会の主従関係に幕を打ち、たったの1年半で天下統一を果たした薩摩の偉人達は、共通した郷中教育をあらゆる分野に入れ込み現在は、既に郷中教育が全ての業界で使われているのです。
全く違う藩が、バラバラな思想、教育方針で、明治維新以降の国造りの郷中教育が薩摩出身者の共通した指針として、用いられてます。例えば、会議です。主従関係に会議は有り得ません。郷中教育の詮議が会議なのです。
というように、町中教育。または、〇中教育。〇に何でも入れて教育しましょう。隠しコマンドは、〇中教育は丸十教育とも。日本中、世界中を薩摩の教育で平和にしましょうね。

私も、町内会の役員として、あいご会長をしてました。他県では、子供会です。鹿児島(宮崎含む)だけが、あいご会です。
言葉の違いではありません。また、現在のあいご会も、既に他県の子供会に成ってます。本来のあいご会に戻すだけで、色んな事が出来ます。

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●曽我どんの傘焼き
日時:2016年7月30日(土)19:15~(雨天中止)
場所:鹿児島市高麗町甲突橋下流にあるMBC本社前水上ステージ
内容:剣舞・薬丸野太刀自顕流・うたいあげ・傘焼き
鹿児島三大行事保存会HP:http://kasayaki.karakasa.com/

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