東大阪の河内小阪は、ちょっとおもしろいお店が集まる知る人ぞ知るグルメスポット。しかし、「ラーメン店がない」という弱点がありました。「中華麺はこの街に似合わない」などというディープな意見も。
そんな小阪に極旨ラーメン店が誕生しました。それが大阪樟蔭女子大学の東隣「極汁美麺 umami」です。
この名に違わぬ、完成度の高い店。7月27日にオープンしたばかりと聞き、取材してきました。
特製ラーメン(780円+220円)。繊細な出汁、作りこまれたスープ、考え抜かれた一杯。
「ラーメンが好きすぎて、店出しちゃいました」
と話してくれた店主の矢島さんは、東大阪の池島出身。
「学生の時にバイトした店がおいしくなくて 『俺のほうが作るのうまいやろ』と思ったのが、はまったきっかけですかね(笑)」
と語る生粋のラーメンフリーク。
ラーメン店に勤め、自分の理想とするラーメンを追い求め、最高のラーメンを引っさげて覚悟の開店です。
チャーシューを切る手つきさえも慎重で繊細。
まずいただいたのは、「濃厚鶏出汁青湯燻醤油ラーメン」(のうこうとりだしちんたんいぶししょうゆ と読みます)。
鶏の旨味たっぷりの出汁と、くん製されたしょう油。
「作ったパイタンを一晩寝かせ、鳥のミンチを入れてアクを吸わせて旨味を出しているんですよ」と矢島さん。
何たる手間、何たるこだわり。自分がイメージする最高のラーメンを作るためには、寸暇も惜しみません。
もちろん麺も自家製です。
北海道産の石臼挽き小麦を使って、この出汁このタレを楽しめるオンリーワンの麺作りをしています。
配置する具も完成する味から逆算して選びます。
レア具合が絶妙なチャーシューに、絶妙の食感と清涼感を楽しめるキクラゲ。
そして配膳時に
「出汁にひたしてお召し上がりください」
と一言が添えられる「菊菜」。その他引くことも足すこともできない要素が、どんぶりの中を彩ります。
この角度で撮影したくなる、美しい一杯。まさに「美麺」。
濃厚なようで、飽きが来ない。あっさりしているようで、印象的。
「瞬く間に評判店になるぞ」と確信させられる、いやもっと先を見た志あふれる一杯です。
「実は塩も開発中(※取材時)なんですよ。ちょっと試食しますか?」
と極秘(?)に開発中の塩ラーメンをいただきました。
ひとくち食べて「また来てまうやろ!」と叫んでしまう、極上の鯛出汁。あとは具を決めて完成だとか。
「つけ麺もやりたいですし、落ち着いたら季節限定などもやってみたい」
と話す矢島さん。
最後に、思い切って陳腐な質問をしてみました。ラーメンの魅力ってなんですか?と。
「うーん、どんぶりいっぱいのフルコースってところじゃないでしょうか」
厳選の食材のみを使って、日本人が発見した「旨味」を一杯のどんぶりに詰め込む。「umami」という店名は有言実行の証なのです。
さて後日、完成した塩ラーメンが食べたくて、記事を書いてからもう一度おじゃましました。
予想通り、いや予想を超える完成度。
これじゃ、さらに評判になって行列が絶えなくなるじゃないか。
本当は誰にも教えたくないほど、レベルの高いラーメンを、ついつい紹介してしまいました。
あー、また食べたい!
知る人ぞ知る「シチリア料理・大西亭」の跡地にあります。
※お店の周辺に駐輪場はありません。
※お店の前では柵内に、周辺の邪魔にならないように並んでください。
取材店舗データ
極汁美麺umami
住所:東大阪市菱屋西3-1-1
電話番号:非公開
定休日:月曜日 ※8月22日〜25日は休業
営業時間:11:30〜15:00
駐車場:近隣にコインパークあり
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