福岡県

手作りピザが夫婦円満の秘密『ピザバス グラッチェ』


2年前に筑紫野市で開業し、あっという間に引く手あまたの大評判になった『石釜ピザ グラッチェ』。今や福岡、佐賀、熊本と、連日大忙しの移動式ピザハウスだ。一度食べてファンになる人が少なくないものの、バス停で待っていても食べられないのが困りもの。最近は遠方に出向いてばかりで、地元で見かける機会が減ったと嘆いている人も多い。そんな皆さんに朗報です。2016年1月、グラッチェが筑紫野市山家に移動しない(?)お店を構えます。



▲Lサイズが1200円(画像上)、Sサイズが500円(画像下)、フランクフルト250円(マスタードはお好みで)。この安さも人気の秘密だ。生地はオーソドックスなクリスピータイプで、モッツァレラチーズはイタリアから取り寄せている本格派。バジルをはじめとした野菜はすべて、自宅隣の畑から収穫している。


▲基本的には、焼きたてをイートインするか、専用のケースに入れてテイクアウトのどちらかを選べる。あえてSサイズを「カットせずに」と頼んで、パタパタとハンカチを折るように畳み、歩きながら食べるのも一興だ。最近のピザに多い、厚手でフワフワした食感のパン生地や、サクサクしていて崩れやすいパイ生地ではなく、薪を使用して高温で焼きあげたクリスピー生地だからできること。ただし、はみ出したチーズにはご注意ください。

オーナーの主税勝幸(ちから・かつゆき)さんは生まれも育ちも筑紫野市山家。子供の頃の夢は西鉄バスの運転手だったそう。
「当時は今のようなワンマンではなく、運転手のほかにバスガールが乗っていました。通学のためにバスに利用すると、顔なじみになったバスガールさんが、1曲歌えってマイクを手渡してくるんです。のどかな時代でしたね」
時は流れ、バス会社ではなくプレハブ式ユニットハウスの製造販売をする会社に就職した勝幸さん。奥様と巡り会い、二人の子供を授かったのちも、順調に幸せな家庭を築いていくかに見えた。しかし、職場での地位が上がり、子供が親の手から離れていくにつれて勝幸さんの顔から覇気がなくなっていった。夫婦の会話といえば無味乾燥なものばかり。元気者だった夫の笑顔に惹かれて一緒になった奥さんにとって、それは共に生きるに張り合いのない日々でもあった。近所でも評判だったおしどり夫婦の仲は、徐々に冷え切っていった。

と、そこまでならよくある話だ。勝幸さんはそこで、安定した収入を捨てる決意を固めた。修復不可能なほどにこじれ、ついには別居生活を送るに至った奥さんに帰ってきてもらうため、なにより自分の生きがいを取り戻すために。それは、子供の頃の夢「バスの運転手」と、趣味であり奥様との大切な思い出でもある「石釜ピザ」との融合だった。


▲主税さん自作の石釜第1号。夫婦そろってアウトドアが趣味で、旅先で食べた石釜ピザの味が忘れられず、自宅にピザ釜を作ったのだそう。


▲バスの内部にしつらえてある石釜も勝幸さんの手作り。ちなみに、バス自体はスクールバスとして使用されていたものを払い下げてもらった。試行錯誤の末にピザバスは完成したものの、車検工場からは難色を示され、登録手続きに伴う諸作業は自分で行うことに。これがなかなか一筋縄ではいかなかったそうだ。


▲勝幸さんがドライバーと調理を、奥様がサービスを担当する。主婦業との両立は大変そうだが「私はこの人が笑顔で元気に働いているならそれでいいんです」と奥様。ピザを食べる前からお腹いっぱいです。ごちそうさま。


▲自宅横の畑。食材を育てるのは勝幸さんのお母様の仕事だ。夫婦仲が良くなったことを一番喜んでいるのは彼女だとか。これは耕しがいがあるってもんです。

山家の自宅敷地内にオープンさせるのは、ステーキとピザのお店になるそうだ。ピザバスは今まで通り勝幸さんが続け、お店は奥様の担当になる。そうなると心配なのは夫婦仲のほうだ。せっかくの二人三脚体制を崩していいものか。
「いやあ、一緒におってもケンカばっかするけんですね」と(もちろん冗談だ)笑いながら話しておられた。たまたま同席していたお客さんから「奥さん、ずいぶん我慢しとっちゃろ」と混ぜっ返されて、「そうそう、そうなんですよ」「なんば言いようですか。我慢しとっとは僕の方ですよ」と息のあった掛け合いを見せる光景も。夫婦一緒に冗談にしているあたり、どうやら心配はなさそうです。


▲取材の最後に、夫婦揃って仲の良さをアピールしていただいた。勝幸さんの上半身がこころもち外側に泳いでいる件に関しては、気付かなかったことにしてあげてください。

▼石釜ピザ グラッチェ
福岡県筑紫野市山家2939-1(地図を表示する
092-926-1811(Faxも同じ)
ピザバスの運行スケジュール等はFacebookをご覧ください
https://www.facebook.com/Pizza.Grazie/

関連記事

  1. いにしえの栄養補給食『はらふと餅』とは
  2. 腹ぺこ少年の夢カレー『ケンチャンスマイル!』
  3. 酒井聡行 TRIO feat.スコティッシュマン
  4. 水谷千重子「福岡の香椎浜に来ちゃったわよ」
  5. 『ふるさとの戦時資料展』筑紫野市歴史博物館
  6. 美味さの秘密は生地にあり!『たこ焼き はしもと』
  7. 菅公伝説の陰に・・・『紅姫供養塔』
  8. 新生「ROOT FIVE」新曲発売・全国ツアー情報

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP