▲板橋駅の入場券
3月1日に130周年記念入場券が発売されたが、これはふつうの入場券
JR『板橋駅』に関する3つのトリビアを紹介する。
板橋駅の営業が始まったのは1885年(明治18年)。新橋駅と横浜駅のあいだに日本初の鉄道が開通したのが1872年だから、板橋駅はかなり歴史のある駅だと言える。
この3月1日には開業130周年を祝うイベントも!
■トリビアその1 板橋区で唯一のJRの駅である
板橋区に停車駅が存在する鉄道は、東武東上線、都営地下鉄三田線、東京メトロ有楽町線、JR埼京線(正確には赤羽線)の4つで、4線を合計すると20の駅がある。
このなかでJRの駅は板橋駅ただひとつ。板橋駅が板橋区にかすって(←ここ重要)いなかったら、板橋区はJRの駅が存在しない区になるところだった。ありがとう、板橋駅!
■トリビアその2 板橋駅は『板橋』に近くない
板橋区の区名は『板橋』という名の橋に由来しているが、駅名から推測して『板橋』の最寄り駅が板橋駅だと思ったら大まちがい。『板橋』にいちばん近いのは三田線の板橋本町駅(A1出口)で、距離は約570メートル。板橋駅(西口)は、その約3倍、1800メートルも橋から離れているのだ。
こうなったのには理由のひとつとして推測されているのが『鉄道忌避説』。(橋のほうの)板橋周辺は、江戸時代から明治にかけて宿場町として栄えていた。落語にもたびたび「江戸四宿のひとつ」として登場する『板橋宿』だ。板橋駅の建設に対して、宿場町の人々から「鉄道ができたら宿場がさびれる」という反対の声が上がり、けっして「近く」とは言えない場所に板橋駅ができた、という説があるのだ。
ちなみに板橋宿のなかの『仲宿(なかしゅく)』があったのが、現在も町名として残る仲宿(なかじゅく)周辺だ。
▲石神井川に架かる『板橋』
■トリビアその3 板橋駅は板橋区じゃない?
そんなバカな、とお思いでしょう。たしかに板橋駅の住所は「東京都板橋区板橋1丁目」。まちがいなく板橋区なんだけど、これは駅長室がある西口の駅舎が板橋区にあるため。
もうひとつの改札がある東(滝野川)口は北区に属している。さらに板橋駅のホームの約3分の2は豊島区にあるのだ。板橋駅というよりは、3区が合体した「きたばしま駅」って感じ。
▲西口は板橋区
▲東(滝野川)口は北区
グーグルマップ → こちらのP
▲ウルトラマンスタンプラリー(終了)はゴモラ
ホームにおける3区の面積の比率は、豊島区66%:板橋区32.9%:北区0.1%といったところ。北区はほんのわずかに、座布団1枚ほどの面積がホームにかかっている感じだ。
▲わずかな北区ゾーンはこのあたり
うしろに見える東日本銀行板橋駅前支店の住所は「北区滝野川」。
▲東口駅前にある地図
どうやら3つの区が接する点があるようだ。
▲交点はここ!
写真に加えた緑のピンのあたりで板橋区、北区、豊島区が接している。
▲りんりんちゃん
西口前の広場には板橋区の観光キャラクター『りんりんちゃん』の像が。東口だと北区だからこっち側にしか置けないのだ。
■トリビア番外編 名前に「板橋」を含む駅は7つ
JR『板橋』駅のほかに、三田線に『新板橋』『板橋区役所前』『板橋本町』の3駅があって、これらは隣り合っている。
やっかいなのが東上線の『下板橋』『中板橋』『上板橋』で、それぞれあいだに「板橋」のつかない名の駅を挟んでいる。
さらに下板橋駅の所在地は板橋区ではなく豊島区なので、かなりまぎらわしい。もひとつおまけに、下板橋という町名は現在は残っていない。
▲東上線の上中下板橋
■取材後記
板橋駅の取材を終えて、東口駅前の喫茶店(北区)で休憩していると、壁とカウンター、テーブルに挟まれた三角地点を発見。この席、どうやって座るんだ?
▲板橋駅との奇妙な符合?
(■019 取材日:2015年2月23日)
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