大分県

手打ちそばならではの味わい!「ここね庵」がオープン

大分県豊後大野市清川町に、2016年3月7日(月)、本格手打ちそば処「ここね庵」がオープンした。オーナーシェフは河野成人さん(63歳)で、「店の名前の『ここね』は、私の孫の名前なんです」と。
河野さんは、保険会社を定年退職した後、生まれ育った故郷の清川町に帰り、そば職人をめざした。
そんな河野さんの朝は早い。午前4時には、店でそばを打ち始める。
実は河野さんは、子供のころから料理好きで「中学卒業後は、料理の道をめさして大阪に行こう」と決めていたのだと…。
当然ながら、両親からの猛烈な反対を受け、高校へ進学。卒業後は、大阪の会社に就職した。
しかし3年で退職。河野さんは「会社を辞め、食道楽大阪の飲食店街で、『調理見習い求む。寮完備』の貼り紙を探しました。そして飛び込んだのが、洋食レストランだったんです」と笑う。
洋食レストランに6年務めたのち、「親父も了解してくれたんです」と大分で食事処を開こうと帰省した。
ところが、縁あって保険会社に就職。もちろん料理の道を諦めた訳ではない。「でも、仕事が楽しくなって」と。そして、国内13か所の支店を、営業担当、支店長として回った。
「転勤も嬉しかったですね。転勤先では、あっちこっちのそばを食べ歩きました。噂を聞けば、隣県へも出かけましたよ」と河野さん。
その、そばの食べ歩きが、河野さんのそば打ちを大きく支えている。
一回の打つ量は、1.5kgで、そば粉8割に対し、つなぎの小麦粉2割の「二八そば」だ。水を注いだら手際よく混ぜ合わせる。上下返しながら、粉に空気を含ませる。「空気を含ませることで、粉が早くつながるんです」と河野さん。手の動きは「時間がかかると水分が抜けるから」と小刻みで忙しい。
「手の平で作る」という小さなだんご状のかたまりが、次第に増えてくる。「だんごは小さい方が、良くつながる」そうで、だんごは、均一につながるように、ほぼ同じ大きさにそろえる。
だんごはつながり、次第に大きなかたまりへと形を変えていく。

大きなかたまりが出来ると、中へ中へと押し込むように練り込む。菊のような形から「菊練り」と言うそうだ。
次は、手で押し広げていく。
直径が30cmほどに広がったら、基となる「地のし」。のし棒の出番だ。

のし棒で、45cmほどに広げたら、巻き棒にチェンジ。巻き棒に生地を巻き付けては広げ、向きを変え、巻いては広げ、広げては巻いて、を繰り返す。
「角(つの)出し」と呼ばれ、角(四隅)を出すための作業だ。
「角出し」で、丸い生地は、次第に楕円形になり、最終的には、長方形へと姿を変えていく。
そして仕上げだ。隅から隅まで、均一の厚みになるよう、のし棒で生地を押し広げていく。こだわりの厚さは1.5mm。
長方形になったら半分に折り、さらに折りたためば、あとは切るだけ。

冷たいそば用は細めに切り、温かい汁そば用は、のびにくく、汁をしっかりと持ち上げるように、と太目に切る。早朝の店内に、コツコツ、コツコツと、そば包丁のリズミカルな音が響く。
一人前のそばの長さは40cmで140g。それをそば箱に並べていく。
一回に打つ量は、およそ15人前。それを3回打つ。一日に提供するそばは、およそ45人前、というわけだ。3回目の作業を終えるころには、午前8時を過ぎる。ここまで、休憩なし。
「そばは打ち始めたら、そば箱に収めるまで、ちょっと休憩って訳にはいかないんです。時間との勝負です」と河野さん。
その日の分、45人前を打ち終えたら、一息入れ、午前11時からの開店に備える。
手打ちそばをダイレクトに味わうなら、まずは、盛りそばだろう。「ここね庵」では、せいろに盛るので「せいろそば」。
1人前140gだから、ちょっと多めかな。
まずは、何もつけずに、そばの香りを味わいたい。そして食感とのど越しを楽しもう。
ツルツルシコシコの食感とそばの風味が実にグッドバランスで、のど越しも良い。二八そばならではの、三拍子揃った味わいだ。
つけ汁は、厚削りのカツオ節に、同じく厚削りのサバ節がベース。サバ節がゆえの丸味、濃くが、キリッと冷たいそばを美味しくさせる。
なお、「田舎いなり」は、当地界隈ならではの、鶏肉やごぼう、椎茸、ニンジンと、具だくさんの炊き込み飯で、懐かしい味だ。

■メニュー(抜粋)■
(冷たいそば)
今月の変わりそば(アボガドとタコのぶっかけ)850円
せいろそば700円
おろしそば800円
とろろそば800円
せいろそば大盛り(2段)1000円
(温かい汁そば)
かけそば700円
きつねそば800円
ごぼう天そば800円
田舎いなり1個100円

<スポット情報>
店名:手打ちそば「ここね庵」
住所:大分県豊後大野市清川町砂田1567-4「道の駅きよかわ」内
電話:0974-35-2888
時間:11:00~15:00
席数:21席(小上がり5席)
休業日:水曜日、木曜日
駐車場:道の駅きよかわ駐車場(無料)

 

関連記事

  1. 火の粉舞い、湯しぶき飛び散る「上田原湯立て神楽」
  2. 夏を涼しく…カフェSnowpotの冷え冷えパスタ
  3. 久住山から吹く寒風が美味さ後押しの「割り干し大根」
  4. 白色尽くしのSnowPotで癒しのトマト色リゾット
  5. 秋の久住高原…「天空のプロムナード」で絶景ウォーク
  6. 杵築の「城下町ひいなめぐり」は、坂道に着物が似合う
  7. 郷土料理・だんご汁は「手延べだんご」が旨さの決め手
  8. 野口朝日堂のロングセラー名物「うず巻」は驚きの長さ

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP