大分県

杵築の「城下町ひいなめぐり」は、坂道に着物が似合う

大分県杵築市で、2017年2月11日(土)から3月12日(日)までの期間、「城下町杵築散策とひいなめぐり」が開催される。家老の屋敷だった県指定有形文化財の「大原邸」では、江戸時代中期の丸平人形のお内裏様がお目見えした。
▲大原邸(撮影:2017年2月8日)

こちらは、明治時代の丸平人形。実に艶やかだ。
▲大原邸(撮影:2017年2月8日)

「ひいなめぐり」の「ひいな」はお雛様。杵築では、お雛様は「ひいな」と呼ぶ。「ひな」ではなく「ひいな」。そのゆったりした響きが耳に心地よい。

▲大原邸(撮影:2017年2月8日)

期間中、「ひいな」の展示を楽しめるのは、城下町一帯のおよそ30か所と山香地域。見所満載なので、たっぷりの時間をお供に出かけたい。
見所の北台武家屋敷は坂の上の高台にあり、連なる土塀が城下町風情を漂わせる。右にあるのが家老の屋敷だった「大原邸」の長屋門だ。
門をくぐると大原邸だ。長屋門から見る茅葺の屋根は重厚感に満ち、堂々とした中にも凛々しさを漂わせる。
大原邸のある北台武家屋敷通りから、下って上るように二つの坂が続く。坂道が似合う城下町杵築のシンボルで、手前が「酢屋の坂」で向こうの上り坂が「塩屋の坂」だ。坂を下りた谷底に当たる部分は、城下町ならではの並ぶ町屋が魅力的で、商家が連なっていたであろう江戸時代の面影を織りなす。杵築が、日本では唯一の”サンドイッチ型城下町”と呼ばれているのは、こうした光景、町並みからだ。
酢屋の坂を降り着いた左手の角には、明治33年創業の「綾部味噌」がある。天然醸造の手作り味噌で名高く、「糀」の看板が目印だ。

綾部味噌では、箱びなを観覧できる。箱の中に飾られており、控え気味な飾りの質素なお内裏様だ。
綾部味噌の斜め真向かいの「塩屋の坂」の角には老舗銘菓の「松山堂」がある。先代の祖父の方は四国出身で、杵築に昭和28年に創業したのだと…。
綾部味噌を使った一口サイズの饅頭「みそまんじゅう」(95円)が人気だ。
薄目の生地は、味噌風味が鼻先をかすめ、心地よい。しっとり食感であんとのバランスも絶妙。のど越しばつぐんだ。手ごろな一口サイズだけに、つい二つ、三つと手が出てしまう。
饅頭には、小豆あんの「やぶれまんじゅう」(画像中央)とほのかな紫色がかったしそ餡の「しそ好みまんじゅう」(画像右)がある。どちらも1個95円だ。
杵築城を眺めたいなら、絶景スポット「一松邸」がおススメ。和情緒豊かな庭から遠くに杵築城と眼下にひろがる守江湾を一望できる。
一松邸では、座敷びなが目を引く。ルーツは四国だそうで、ひな飾りを抱く豊かな自然、盆栽や苔に至るまで、すべてがミニサイズながらも本物だと…。
少し異色といえば、こちらだ。衣装はすべて革製で、実に落ち着いたたたずまいだ。
このほか、「磯矢邸」や藩医「佐野家」なども散策ルートに加えたい。
時間を有効に使いたいなら杵築市観光協会おススメの「まちあるきコース」を参考にするのもいい。「まちあるきコース」は、「軽めの60分(0.88Km)」に「のんびり120分(1.49km)」、「じっくり200分(4.9Km)」と3通りが示されている。
どのコースとも「ふるさと産業館」がスタート&ゴールで、大型バスも含めた駐車場が完備され、観光案内所が併設されている。ここで市内の土産品もゲットできる。
ちなみに、「軽めの60分コース」は、ふるさと産業館から少し歩くと「番所の坂」に着く。坂を上ると「酢屋の坂」。次いで「大原邸」、「勘定場の坂」を経てゴールだ。
▲番所の坂

ひいなまつりと合わせて見所スポットを楽しみたいなら「城下町きつきボランティアガイド」を利用したい。ボランティアガイドは、2時間1000円。めぐるコースはお好み次第なので、時間に応じて見て聞いて尋ねて、城下町散策を楽しもう。
杵築市は、着物が似合う町でも知られており、2010年10月には、全国初の「着物が似合う歴史的町並み」に認定されている。「和楽庵」では、着物がレンタルでき、着付けもしてくれる。
着物を楽しむには絶好の機会だ。着物姿でひいなめぐりを楽しみたい。
着物レンタルは一人2400円。帯や襦袢、草履が付いて着付けもしてもらえる。「和楽庵」には、常時250着の着物が用意されているので、きっとお好みがあるはず。しかも、着物姿で散策すると、公共の文化観光施設の観覧料が無料となるほか、協賛店舗では食事の割引が利用できたり粗品がもらえたりと、至れり尽くせりだ。
期間中、ひいな展示会場を巡ってスタンプを集めると商品がもらえるスタンプラリーが開催される。プラスワンのお楽しみだ。

▲松山堂

なお、有料観覧施設の「杵築城」「磯矢邸」「大原邸」「佐野家」「きつき城下町資料館」「一松邸」「重光家」については、共通観覧券(800円)が利用できるのでありがたい。
「城下町杵築散策とひいなめぐり」パンフレット

______________
城下町杵築散策とひいなめぐり
期間:2017年2月11日(土)~3月12日(日)
会場:大分県杵築市城下町一帯&山香地域
電話:0978-63-0100(杵築市観光協会)
http://www.kit-suki.com/
時間:9:00~17:00(会場や店舗により異なるのでご注意を)
料金:7か所の有料観覧施設の共通観覧券800円
駐車場:会場内表示有(無料)

【スポット情報】
大原邸
住所:大分県杵築市杵築207
電話:0978-63-4554
観覧:9:00~17:00(入館~16:30)
休館:無
料金:一般200円、小中学生100円
駐車場:共同駐車場(無料)

一松邸
住所:大分県杵築市南杵築193-1
電話:0978-62-5761
観覧:9:00~17:00(入館~16:30)
休館:年末年始
料金:一般100円、小・中50円
駐車場:10台(無料)

佐野家
住所:大分県杵築市杵築329
電話:0978-62-2007
観覧:9:00~17:00(入館~16:30)
休館:年末年始
駐車場:4台(無料)

磯矢邸
住所:大分県杵築市杵築211-1
電話:0978-63-1488
観覧:9:00~17:00(入館~16:30)
休館:年末年始
料金:一般200円、小中学生100円
駐車場:共同駐車場(無料)

綾部味噌
住所:大分県杵築市杵築169
電話:0978-62-2169
営業:8:00~19:00
定休:1月1日~1月3日
駐車場:6台(無料)

松山堂
住所:大分県杵築市杵築173-1
電話:0978-62-2223
営業:8:30~18:30
定休:1月1日
駐車場:共同駐車場(無料)

和楽庵
住所:大分県杵築市372-4
電話:0978-63-1210
営業:10:00~16:00(レンタル受付~14:00)
定休:年末年始
駐車場:有

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