▲スペシャルティコーヒーの飲み比べも行われた
東京都板橋区の1 ROOM COFFEEで開催された『フレンチプレスセミナー』の様子をレポートする。
■フレンチプレスって何?
コーヒーの抽出器具のひとつで、フランスで流行したためにこの名前になったとか。日本では紅茶用の道具と思われがちだけど、ヨーローッパではコーヒーを淹れるための道具のなかではもっとも人気が高いのだ。
■フレンチプレスの○と×
フレンチプレスには大きなメリットがふたつある。
ひとつめは、コーヒーの香り成分を豊富に含むオイル(油脂分)を抽出できること。日本での人気が高いペーパーフィルターだと、オイルが紙の目で足止めをくらってしまう。
第二のメリットは、抽出するのに技術がいらないこと。粉やお湯の量と時間の管理さえすれば、細かいテクニックは不要だ。
フレンチプレスには弱点もある。品質のよくないコーヒー豆だと「おいしくない特徴」がそのまま出て残念な味になってしまう。抽出技術による補正が利かないわけ。
フレンチプレスはよくも悪くも「材料本位」の道具なのだ。
▲ポット+プランジャー=フレンチプレス
プランジャーとは「上下に動くフィルターが付いた蓋」。デザインのバリエーションが豊富なので「見る楽しみ」「持つ喜び」が味わえる。
■実際の手順(350mlのフレンチプレスの場合)
1 コーヒー豆を用意する。
目安は18グラム、挽きかたは中粗挽きで。
▲中粗挽きはグラニュー糖と同じかすこし大きい程度
2 湧きたてのお湯と、4分ちょうどにセットしたタイマーを用意する(ポット部分とコーヒーカップにいちどお湯を入れて温めておくとよい)。
3 ポット部分にコーヒー豆を入れ、約3分の1までお湯を静かに注ぐ。
このときにタイマーをスタートする。
▲1回めの注湯
粉全体にお湯が行き渡るように、全体の3分の1のお湯を注ぐ。
4 30秒間、そのまま待つ(蒸らし)。
5 30秒経ったら、マドラーやスプーンでポットのなかのコーヒー粉をゆっくり撹拌する。
▲静かに撹拌して粉のなかのガスを抜く
6 残り3分の2のお湯を注ぐ。
▲ポットの縁を伝わらせて注ぐとベター
7 蓋をしてタイマーが鳴るのを待つ。
▲プランジャーは上げたまま
8 タイマーが鳴ったらプランジャーをゆっくり押し下げて完成。ポットにコーヒーを残しておくことはせず、すべてカップに注ぎ切る(液体の味が変わってしまうため)。
▲フレンチプレスとペーパーフィルターの比較
同じ豆で、2種類の方法による差を確認した。フレンチプレスにはコーヒーオイルが浮いている。
(※差を明確にするために画像を明るく調整しています)
セミナーの参加者は3回ずつコーヒーの抽出を体験し、みるみる上達していった。
さまざまなコーヒーの飲み比べをしながら、内山さん(1 ROOM COFFEEオーナー)にたくさんの質問が飛んだ。
▲どんな質問にもわかりやすく答えてくれた内山さん
■取材後記
白状すると、板橋区の地域編集長・タハラはフレンチプレスを小バカにしていた。1 ROOM COFFEEのコーヒーに出会うまでは。
この店で初めてコーヒーを飲んだときに「!!」となり、自宅の棚の奥からフレンチプレスを引っ張り出してコーヒーを淹れてみた。でも、いまひとつおいしくない。何冊も本を読んで試しても効果なし。
ところが今回のセミナーに参加して目からウロコが落ちた。どうやら「30秒蒸らしたあとの撹拌」がポイントだったようだ。そんなこと、本には載ってなかったよ。
▲わかりやすいマニュアルも配布された
※1 ROOM COFFEEの記事は → こちら
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■セミナーデータ
セミナー名:FRENCH PRESS SEMINAR
開催日時:2015年2月21日(土) 19時30分~21時
開催場所:1 ROOM COFFEE
参加人数:5名(満員)
参加費:1800円(年内有効のドリンク券1枚つき)
次回開催:未定(情報はFacebookで)
■店舗データ
店名:1 ROOM COFFEE
住所:東京都板橋区中板橋29-10
電話:070-5363-3022
営業時間: 平日 10時30分~21時
土日祝 10時~19時
定休日:不定休
完全禁煙
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(■017 取材日:2015.2.21)
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