▲かごしま水族館で毎日行われているイルカショー「いるかの時間」
【鹿児島県】
鹿児島県にある薩摩半島と大隅半島に囲まれた鹿児島湾にはイルカが生息しているのはご存じでしょうか?
鹿児島県にお住いの方ならご存じかとは思いますが、いったい何種類のイルカがいてどれくらいの規模で回遊しているかまではご存じない方がほとんどかと思います。
鹿児島県鹿児島市にある「いおワールド かごしま水族館」では毎日行われるイルカショーを始め、鹿児島湾に生息する野生のイルカに関する情報発信も行っています。
今回は展示課 海獣展示係 の吉田明彦 係長にお話を伺ってきました。
まず鹿児島湾を回遊しているイルカの種類ですが、鹿児島湾に定住しているミナミハンドウイルカ(ミナミバンドウイルカ)・鹿児島湾を出たり入ったりしているハセイルカ(マイルカの仲間)とハンドウイルカ(バンドウイルカ)の3種類が生息しています。
定住型のミナミハンドウイルカは鹿児島湾の岸沿いを回遊しているので、だいたいみなさんが発見するイルカはこのミナミハンドウイルカです。湾奥に約40頭、桜島南部に約40頭の2グループがいる様です。
鹿児島湾を出入りしているハセイルカは約200頭のグループで沖の方を泳いでいます。フェリーの航路と垂直に交わる様に泳いでいるので一般の方が発見できるのはほぼ稀でしょう。
指宿市と南大隅市の間にある海で発見できるのがハンドウイルカ。かごしま水族館で見られるイルカもこのハンドウイルカです。1グループで60~80頭いる様です。
少し昔になりますが、鹿児島湾に白いイルカが発見されたという話がありました。あの発見されたイルカはミナミハンドウイルカだったのですが、現在鹿児島湾には存在しません。鹿児島湾よりいなくなってから、大分の方で白いイルカが発見されたという情報が入り調査したところ鹿児島にいたイルカだったそうです。照合の決め手は個体ごとに違う背びれの形でした。(この白いイルカが現在も大分に生息しているかは不明です。)
かごしま水族館は今年で開館20周年。鹿児島湾のイルカ調査は開館翌年から続けられているとか。月1で岸沿いにミナミハンドウイルカを調査。その他、年に2回湾全体の調査を行っています。ミナミハンドウイルカについては背びれの形から90頭を見分ける事ができるそうです。
先日昨年12月に生まれた赤ちゃんイルカに名前が付きましたが、鹿児島湾のイルカたちも世代が受け継がれている様子が確認できるそうです。2017年6月6日に行われた調査では母親と一緒に泳ぐ赤ちゃんミナミハンドウイルカが3頭確認できました。
鹿児島湾のイルカウォッチングはイルカの移動範囲が広いせいかまだまだ専門のツアーとして確立できるまでの情報は揃っていない状況。かごしま水族館ではホームページとフェイスブックを使って調査の報告や発見情報をお知らせしているので、興味のある方はご覧になってみてはいかがでしょうか?
イルカの住む海はその食べる量から水産資源が豊かな海と言えます。海の近くを通る際は鹿児島湾を広く眺めているとイルカの群れを確認できるかもしれませんよ。
※2017.6.9.執筆
関連ページ:鹿児島湾鯨類【イルカ】調査(かごしま水族館HP)・錦江湾にイルカを見に行こう (かごしま水族館HP)
■いおワールドかごしま水族館
住所:鹿児島県鹿児島市本港新町3-1
営業時間:9:30~18:00(入館は17:00まで)
TEL:099-226-2233
入館料:大人(高校生以上)1,500円 小人(小・中学生)750円 幼児(4歳以上)350円
アクセス:鹿児島中央駅から
市電(2系統) 水族館口 徒歩8分
市営バス(16-2・15・24・25・26番線:東4~6番のりば) かごしま水族館前
かごしま水族館HP:http://ioworld.jp/
かごしま水族館FBページ:https://www.facebook.com/kagoshimacityaquarium
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