グルメ

『コーヒーのまんまんなか』はベルニーニにあり!

□目の前で淹れられる『よい』コーヒー□

東京都板橋区志村の『自家焙煎珈琲屋 カフェ・ベルニーニ』(以下『ベルニーニ』)を紹介する。

『サードウェーブコーヒー』が静かな流行となっている。コーヒーブームに「(アメリカ視点で)第三の波が来てますよ」ってことらしい。「産地や処理方法、流通経路などの『豆の質』を重視する」「一杯ずつドリップする」のが、その特徴のようだ。
『質の重視』は歓迎すべきことだ。ただ、ひとつだけ書いておこう。「それって『ベルニーニ』が前の世紀からやってることなんだよ」と。

▲店内

■最上の時間が流れる『町のコーヒー屋』
この店のコーヒーについて、味や香りを説明する必要はない。「飲めばわかる」「コーヒーの『よさ』を知りたければここへ」で十分だから。

▲初めて行くなら『ベルニーニブレンド』(520円)を。中深煎りの「this is Coffee」

▲お客さんからマスターが受けた印象でカップが決まる

▲上質な器でコーヒータイムがさらに豊かに

■岩崎俊雄さんに聞く
『ベルニーニ』のオーナー・岩崎俊雄さんの半生はコーヒーの香りに包まれている。
10代から飲食の仕事に就くことを望んでいた岩崎さんは、調理師・栄養士の学校を卒業するとフランス料理の世界に身を投じる。勤めたお店の業績は右肩上がりだったが『セントラルキッチン(集中調理施設)』を導入して効率化を図る経営方針に「なにかちがうな」と感じたのが23歳の頃。
そんな折、お客さんから「九段下にあるコーヒーの店を大きくするのに力を貸してほしい」と声をかけられる。その店であらためて「コーヒーっておいしいんだな」と実感し、30歳までその店の店長を勤めた。
その後、専門学校の同窓生からの求めに応じ、誰もが知る大手コーヒー会社に転職。焙煎から店舗の指導まで「内勤以外はすべて」(岩崎さん)を経験し、『喫茶経営学院』の学院長まで勤められた。
ご自身がプロフェッショナルであるだけでなく、『プロを育て、指導するプロ』なのだ。

▲窓からは季節ごとに彩りの変わる城山公園が

1999年に『ベルニーニ』を開店するにあたり、物件探しに苦労されたそうだ。「吉祥寺にあった『もか』というお店が緑豊かなロケーションで『こういう場所でお店ができたら』と思いましたが、探すとこれがなかなか」(岩崎さん)。
結果、現在の場所に巡り合うのだが、板橋区の地域編集長・タハラには「『ベルニーニ』のための場所」と思えるほどの、絶好の立地だ。

▲アイスコーヒー(650円)は氷の硬さにまで気が配られている

■1万回のテイスティング
▲味を確認する岩崎さん。厳しい職人の貌がちらり

1杯のコーヒーを提供するプロセスで、豆を粉に挽いたときの香りで1回、抽出したコーヒーの味の確認でもう1回、岩崎さんは2度のチェックを欠かさない。
「岩崎さんほどの経験のある方でも『このカップはいかん』なんてことも?」と、失礼な質問をしてみたが、さすがにそれはないそうだ。
「同じ豆でも、固さや湿度によって『ベストの焙煎』が変わってくるんです。明日の焙煎に活かすため、どうしてもチェックしちゃいますね」(岩崎さん)。
コーヒーを仕事にしている方ほど、この言葉の重みが理解できるはずだ。

■『よいコーヒー』とは?

岩崎さんは「おいしい・まずい」の軸でコーヒーを語らない。それは個人の嗜好によるからで、目指すのは「よいコーヒー・さらによいコーヒー」だ。そこで『よいコーヒー』についてうかがうと、3つの条件を教えてくださった。

1 品質のよい生豆
2 生豆の特性に合った焙煎
3 焙煎した豆がフレッシュであること

この3つの調和が取れていることが大切だそうだ。しかしここまでは『ベルニーニ』の豆ならクリア済のこと。その豆を各家庭でおいしく飲むためのポイントについては「なんでも聞いてください。家庭でおいしいコーヒーを飲んでいただくことが私の使命だと思っていますから」(岩崎さん)と頼もしい。

『よいコーヒー』を知るために足を運んでほしい店、それが『ベルニーニ』だ。飲めば、わかる。

▲抽出にペーパーフィルターをつかっているのも「家庭で手軽においしく飲むためにはいちばん」だから

▲コーヒーの『よさ』を増すチーズケーキ(430円)

※価格は税込みです
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『自家焙煎珈琲屋 カフェ ベルニーニ』

お店のページは → こちら
住所:東京都板橋区志村3-7-1
グーグルマップ → こちらの W(大文字・ピンク色)
電話:03-5916-0085
最寄り駅:都営地下鉄三田線『志村三丁目』駅から徒歩約2分
営業時間:13時から19時
※土曜日は販売のみ。飲食はできません
定休日:火曜日、水曜日
席数:カウンター 6席
テーブル 10席
※禁煙
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【■063 取材日:2015.6.24】

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