▲ただでさえ広いのに、増築してさらに大きくなるらしいイオンモール筑紫野。普段あまり足が向かないのは、駐車場で迷ったことがあるからだ。ちなみに、出口がわからなくなるほど耄碌はしていない。どこに車を停めたのかを忘れて、2時間ほど足を棒にして探し回ったのだ。
聞くところによれば、渋谷の表参道では連日カキ氷の店に行列ができているそうだ。なんでまた、と思った人は僕と友達になれる。まだ梅雨入りもしていない5月の下旬、日によっては肌寒く感じることもあるくらいなのに、いくらなんでもカキ氷は早すぎるだろうとTwitterでボヤいたところ、東京都在住の知人から即座にダメ出しを頂いた。
「かき氷はいつから夏限定に?1年中食べられるお店いっぱいあるのに。そりゃ暑いほうがおいしいけど、それは喉の渇きを潤すためだけのかき氷でしかない!かき氷、大好きなのでうるさいです。蒼井優には負けるけど(彼女のかき氷本は読みました)」(原文ママ)
気付いてはいたけれど、東京と福岡(もとい、筑紫野市)では温度差(別の意味も含めて)があるようだ。試しに市内の飲食店オーナーである友人に電話をかけてみたところ、やはりカキ氷には早いとのこと。もっとも彼も僕と同年輩であり、経営している店も若者が好んで行く類ではないから、同じくジェネレーションギャップに囚われている可能性はある。念のため心当たりを尋ねてみたけれど、今の時点でカキ氷を出している同業者も知らないそうだ。
いや、正確に言うと1ヶ所を除けばだ。そこに行けば間違いなく食べられる。そう、何を隠そうイオンモール筑紫野である。
長い前振りに付き合っていただいて恐縮だ。今回はイオンモール筑紫野に入っているテナントのうち、現時点でカキ氷をメニューに加えているお店を調べた。調査にあたっては、明らかにカキ氷とは縁遠いであろう種類のお店も含め、すべての飲食店の店頭で聞き込みを行った。その中から、独断と偏見による地域編集長オススメ店をいくつか紹介する。
そうそう、忘れてはいけない。対象は「カキ氷」かフランス語名称である「フラッペ」に限る。フローズンドリンク類は含まない。
▲まずは1F北側の端から。1番手はタピオカドリンクの『ティーウェイ』だ。
「つかぬことを伺いますが、こちらにカキ氷かフラッペはありますか」
「申し訳ありません。当店ではスムージーしか取り扱っておりません」
「それください」
いきなりのルール変更も、注文ミスで2杯飲む羽目になったのも、可憐な笑顔にハートを射抜かれたからでは断じてない。ちなみに緑の蓋がスムージーで、下の画像にある3つの内のどれか(各500円)だった。彼女に見とれていたわけではないが、不覚にも憶えていない。
濃厚な甘みとコーヒーのコクのリッチテイストに、スムージーの清涼感が加わる。こぼす心配がないので、カップを片手に歩き回れるのがいい。
次いでお隣の『みやこ茶屋』へと移動する。ここはいかにも置いていそう。いきなり祭囃子が聞こえたような気がした。
▲どうだと言わんばかりの堂々たるフォルム。これぞカキ氷(150円)の王道だ。シロップはメロン、イチゴ、ハワイアン、宇治から選べる他、50円足せば練乳がけにもできる。
▲焼きそば(430円)を頼んだら、真夏の日差しと潮風を感じた。気分は海水浴だ。海の家のそれと違うのは具の多さ。野菜や豚肉がたっぷり入っていて、ご飯を添えてもいいくらい。
▲スムージーに目こぼししたということは、フローズンドリンクにも温情を示さねばならない。『ナナズ グリーンティー』は緑茶を用いたスイーツのお店。
▲豆かんフローズン(600円)が素晴らしい。えんどう豆のコロコロした食感と寒天の滑らかな舌触り、フローズンドリンクのシャリシャリ感の三つ巴が、舌の上で雅楽のアンサンブルを奏でる。黒蜜の優しさと抹茶の苦味が合わさって、思わず映画「グリーンディスティニー」のワンシーンが浮かんだ。
その他、昨年好評を博した『紅虎餃子房』『ピエトロ』のカキ氷は残念ながら予定なし。2F『タリーズ』は予定あり。3F『デザート王国』は王道系とそのデラックスを販売中。スムージーの他にフラペチーノやスワークル、ブラストなど、様々な呼び名のあるフローズンドリンク勢が数の上では優勢だった。肝心のカキ氷は現在のところ2店のみ、昭和のおじさんからすると由々しきことのように感じる。フラッペに至ってはゼロだ。
数多ある中からどれか1つと言うなら、『ティーウェイ』の村田店長を推しておく。親切丁寧な対応で快く顔写真を載せる許可を頂き、感謝感激です。
おめでとうございます。栄えあるプリンセス・オブ・スムージーは貴女に決まりです。
▼イオンモール筑紫野
福岡県筑紫野市立明寺434-1(地図を表示する)
092-929-2300
営業時間 9時~21時
駐車場あり(3600台)
JR鹿児島本線天拝山駅から徒歩5分
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