おでかけ

探幽が屏風に上手に風神雷神の… 屏風展、開催中!

□スタッフによる館内のPOPもいい! 無料だけど、ただの美術館ではない□

板橋区赤塚にある『板橋区立美術館』で開催中の「館蔵品展 まあ!オモシロ江戸屏風」を紹介する。観覧料はなんと無料! 期間は10月18日(日)までだ。

現代人にはなじみが薄くなってしまった屏風。目にする機会は結婚式や、歌舞伎・落語といった伝統芸能の舞台に限られているけど、いま、なんで屏風? ここはオフィシャルの説明文を拝借しよう。


「屏風は白鳳時代に新羅から伝来したと伝えられています。室町時代には日本独特の紙製の蝶番(おぜ)が生み出されたことにより、連続した大画面として表現できるようになりました。屏風は間仕切りとしての調度であるばかりでなく、そこに絵や書をかいて飾ることで、空間の雰囲気を変化させる役割ももっています。
本展では当館所蔵の屏風を中心に、寄託作品も合わせ、屏風という独特の形式にみられる多彩な表現やデザイン感覚を紹介します」(公式サイトより)

▲左が紙製の蝶番(おぜ)、右が屏風の内部の様子。模型が用意されているので屏風の構造が理解できる

はい、よくわかりました先生。
では、今回展示される19作品の一部をちょこっと拝見。

■生の迫力に触れるチャンス

 

▲屏風鑑賞の基礎もバッチリ

■ギャラリートークに参加しよう
9月27日(日)、10月4日(日)、10日(土)の14時からは、学芸員の解説を聴きながら観覧できる『ギャラリートーク』が開催される。
また、10月3日(土)15:00からは先着100名で記念講演会『絵画修復の現状 ―東洋絵画 指定文化財の修理―』(国宝修理装こう師連盟・半田昌規氏)が。もちろんどちらも参加費無料だ。

▲ギャラリートークの様子

板橋区の地域編集長・タハラは9月20日、ひと足お先にギャラリートークを体験してきた。その日の参加者は40名ほどで、みなさん熱心に耳を傾けていた。
「屏風絵には金箔がよく用いられますが、金の含有量が多いと赤味を帯び、銀が多いと青っぽくなります」などと、素人が見ているだけではわからないような話が聞けて大満足。

▲柴田是真 貝尽図屏風(部分) 板橋区立美術館蔵

上記の写真の作品には、『青海波塗(せいがいはぬり)』という手法が大胆に用いられているとのことだが、その迫力は写真ではまず伝わることがない。「生の作品を観る」ことの価値をあらためて実感した。

■『イタビ』、その独特な美術館
『板橋区立美術館』は1979(昭和54)年に23区初の公立美術館として誕生し、いまや『イタビ』の愛称で親しまれるほど区民の生活に溶け込んでいる。
夏の『イタリア・ボローニャ国際絵本原画展』や『江戸文化シリーズ』(有料)が有名だが、予算が足りないぶんをアイデアで補う(失礼!)企画展の楽しさにより、知る人ぞ知る個性的な美術館となっている。

▲イタビは図録もビシっとつくる。『ちょっと小粋な江戸屏風ParII』(2002年、1300円)は屏風を知るのにうってつけの一冊。いまなら半額の650円で購入できます

▲美術館脇のフラッグがおちゃめ。過去には「素通りしないで!!」や「不便でゴメン」が風になびいていたことも

電車の駅からはけっこう歩く必要があるが、イタビ周辺は23区内とは思えないほど緑が豊かで、見どころも多い。同じ敷地内には『板橋区郷土資料館』があるし、日本で3番目に大きい『東京大仏』もお隣さん。
これはもう、行くっしょ。

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「館蔵品展 まあ!オモシロ江戸屏風」
期間 2015年10月18日(日)まで
観覧料 無料

▲外観。『いたばしカルタ』にも登場している。読み札は「多彩な企画で美の世界を紡ぐ美術館」(語呂、わるっ……)

会場 『板橋区立美術館』 → 公式サイト
住所 東京都板橋区赤塚5-34-27
最寄り駅 都営三田線『西高島平』駅から徒歩約13分
東武東上線『下赤塚』駅、東京メトロ『地下鉄赤塚』駅から徒歩約25分
グーグルマップ→こちらのd(小文字、ピンク色)
電話 03-3979-3251
開館時間 9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日
(10月12日は開館。9月24日(木)、10月13日(火)は休館)
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■072 取材日:2015.9.20

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