▲虹が空から降ってきた
東京都板橋区小豆沢の『巣鴨信用金庫 志村支店』を紹介する。
冬のよく晴れた日、板橋区の地域編集長・タハラは中山道を北に向かって歩いていた。視界の右端に虹が見えた気がしてそちらを見ると……。
▲近視の目にも快い「何か」を発見
鮮やかな色づかいの建物が! 近くに寄って正体を見極めねば。
▲虹の階段をまとった建物の正体は?
▲巣鴨信用金庫 志村支店だった
信用金庫や銀行のような金融関係の建物は、大きな看板をドーンと建てて目印にするのが一般的。ところがこの店舗には名称を示す看板的なものがこれひとつしかない。
▲別の場所からも見上げてみた
■巣鴨信用金庫・創合企画部の中野さんにうかがった
志村支店は現在5つある「デザイン店舗」のなかのひとつだそうだ。
「一分一秒でも長く居たい空間」をテーマに、フランス人建築家・デザイナーのエマニュエル・ムホー氏と共に創りあげたのが「デザイン店舗」。そのテーマは形となって表れていて、金融機関といえば「慌てて行って急いで帰る」のが常だけど、志村支店の空間には居心地のよい空気が流れていた。
▲ソファも虹!
立ち上がるときの足腰の負担が減るように、ソファの座面がちょっぴり高くなっている。床も完全バリアフリーだ。
▲店内にも空がある
大きな吹き抜けの窓。天井には色とりどりのたんぽぽの綿毛が舞う。ヨーロッパには願いごとを唱えながら綿毛を吹く習慣があるんだって。
▲こちらは常盤台支店 (c)Daisuke Shima/Nacasa & Partners
板橋区にはもうひとつ「デザイン店舗」がある。それが常盤台支店で、コンセプトは「リーフ(葉っぱ)」とのこと。
▲常盤台支店には7つの中庭がある (c)Daisuke Shima/Nacasa & Partners
■取材後記
志村支店で虹色のソファに腰掛けながら感じたのは「明るさと寛ぎ」だった。そう感じた理由は「優れた建築デザイン」だけではなさそうだ。金融機関にありがちな「効率至上主義」の匂いをほとんど感じさせない「もっと大きなデザイン」に秘密がありそう。
事実、巣鴨信用金庫はさまざまな取り組み(むしろ挑戦?)を行っている。
たとえば、窓口の終了時間である午後3時を過ぎても、午後6時までならインターフォンで職員を呼べば対応してもらえるサービス『サービスデスクアフター3』がある。
また、『すがもチビッ子SOS』の名称で、全42店舗を子供たちの「安全地帯」「緊急避難場所」にする取り組みも。
振込め詐欺などへの対応には、警戒を呼びかけるだけではなく、店に訪れるお客さんにリラックスしてもらうことのほうが有効なのかもしれない。イソップ寓話の『北風と太陽』なら、巣鴨信用金庫はまちがいなく太陽だな、とタハラは思った。
▲8時55分を示す時計の意味は?
通常の午前9時より5分はやく窓口が開く。急いでるときにはありがたい! 『Five minutes for you』というサービスだ。
こんな店舗があちこちにあれば、胸を張って上を見て歩く習慣が身につきそう!
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『巣鴨信用金庫 志村支店』
住所:東京都板橋区小豆沢1-13-8
グーグルマップ → こちらのL
『巣鴨信用金庫 常盤台支店』
住所:東京都板橋区前野町6-4-14
グーグルマップ → こちらのe
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【■014 取材日:2015.2.10】
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