ロカマガ

▲2016年5月4日撮影

2016年4月14日に最大震度7を観測した熊本地震は、いまだに大分や熊本に余震をもたらしている。
そんな状況下だが、熊本県阿蘇市の道の駅「阿蘇」では、4月20日（水）に時間を短縮したものの営業を再開し、4月26日（火）からは通常通りの営業にこぎ着けた。
GW後半の5月4日、人気のソフトクリームコーナーには、若い人たちの行列も見られ、いつもの表情を取り戻していた。
とはいえ、例年GWの最中だと、阿蘇神社や仙酔峡へ向かう交差点で車が連なるものだが、今年は、相次ぐ余震のせいだろうが、この日は、そんな渋滞に遭遇することはなかった。
道の駅「阿蘇」のマネージャー下城卓也さんは「まだ余震が続いていますが、こうしてお客さんにきていただいてホッとしています。例年の2割減といったところですが、感謝の気持ちで一杯です」と。
▲2016年5月4日撮影

通常営業の傍ら、道の駅阿蘇では、平成28年度熊本地震復興支援「”阿蘇”を元気に！Hand　in　Hand～手に手をとって～特産品セット」の販売をスタートさせた。
道の駅阿蘇としても被災者を応援しよう、阿蘇地域の復興に貢献していこうというもので、下城さんは「道の駅阿蘇の商品は、漬物などの加工品や乳製品、菓子などすべて地元産で、多くの生産者、製造者の皆さんに支えられています。地震後も、こうして徐々に商品も増え、被災前の表情を取り戻しつつありますが、当地まで来れない方々に、こうした商品の詰め合わせを買い求めていただくことで、頑張っている生産者や製造者さんたちを支援できれば、と思うんです」と。
▲2016年5月4日撮影

特産品セットは、道の駅阿蘇の店頭やネットショップでも買う事が出来るが、ネット環境の整ってない方たちも利用できるよう、チラシも配布している。
商品構成は、まだまだ物流が万全とは言えないので、賞味期限の比較的長い商品や常温保存できるものが中心の品揃えだが、下城さんは「ここにきてようやく肥後の赤牛や馬刺し、牛乳などの乳製品も販売できるようになりました。後は物流ですね。物流体制さえ完全復旧すれば、こうした商品も加え、さらに充実させていきます」と希望に胸を膨らませる。
冷蔵ケースには、馬刺しや赤牛ハンバーグなど熊本自慢、阿蘇自慢が並ぶ。
▲2016年5月4日撮影

豪華寝台列車七つ星で提供されたことで有名な阿部牧場の「ASO MILK」も、水不足を乗り越え、5月2日から製造が始まったと…。
▲2016年5月4日撮影

道の駅阿蘇の商品は、手に取ると、ラベルには、販売元だけではなく、生産者や製造者名が住所とともにきちんと明記されている。どこで作られたか、だれが作ったかが一目瞭然で、安心して買えるのが嬉しい。
作り手の顔が見え、作り手の思いが伝わる商品、それが下城さんの誇りだ。それだけに「一つでも多く売ってあげよう、お客さんに買っていただこう、という気持になるんです」と下城さん。その気持ちと「いいものを作ろう」という生産者や製造者の皆さんの思いから生まれる相乗効果は、計り知れない。
弁当類も名物の逸品ぞろいだ。
地元の高校生のコーナーが、実に微笑ましい。嬉しい地域連携弁当だ。
今回の熊本地震は大分と熊本を繋ぐ国道57号が、立野の土砂崩壊で寸断されたため、道の駅「阿蘇」へは熊本市内からだとミルクロードを経由する必要がある。
国道57号と南阿蘇を結ぶ阿蘇大橋も崩壊し、JR豊肥線も土砂で流された。
とはいえ、幸いにも大分から阿蘇へと通ずる国道57号は、震災前と変わらず通行可能だ。

なお、「Hand in Hand～手に手をとって～特産品セット」は、阿蘇の菓子セット（2900円）、阿蘇の食材セット（3000円）、阿蘇の茶と菓子セット（5000円）、阿蘇詰め合わせセット（12000円）から選べる（2016年5月4日現在）。送料別。
詳細は道の駅阿蘇ネットショップで。