グルメ

板橋ランチその3 『割烹 一声』で春をいただく

目にも舌にも春が来た!

東京都板橋区南常盤台の『釜飯 割烹 一声(いっせい)』を紹介する。
東武東上線『ときわ台』駅の踏切にほど近い場所にあるのが『一声』。割烹と聞いて「お高いんでしょ」と言うのは気がはやい。この店はいちばん人気の海鮮丼も日替わりランチも、760円!

▲海鮮丼(760円)

あら汁、煮物(この日はゴボウ)、お新香がついての760円。

▲アップでもう一枚

食べて納得のいちばん人気。カンパチ、初鰹、マグロ、ホタテ、サヨリ、生海苔……。マグロはいわゆる「ヅケ」ではないが、専用の漬けタレに通す。醤油も魚料理のために調合した独自のものだ。秘密のブレンドを加えたわさびが、それだけでもおいしい。
この『海鮮丼』をいただいたときの板橋区地域編集長・タハラの感想は「初めて本物の海鮮丼を食べた」だった。これまでに海鮮丼と名のつくものは何十回と食べてきたのに、口のなかが青海波であふれそうになったのは初!

▲割烹の「割」

「割」とは包丁の技のこと。魚の細胞が崩れてないでしょ?

日替わりランチは曜日ごとに内容が決まっているわけではない。『一声』のオーナー兼大将の横島正典さんによると「内容が決まるのは、たいてい前日」。魚や野菜の仕入れ状況をにらみつつ、ランチであってもベストを尽くすためだ。

▲ある日の日替わり(760円)

『小イワシとイカの揚げサラダ』。サラダが主菜になるの? と思ったが、ごはんと相性ばっちり。野菜は露地物(温室やビニールハウスではないもの)で、ごはんには甘みが。どちらも茨城産とのことだ。

大将はあまり多くを語らない。しかし、あれこれ質問するタハラにひと言「ワカメをあら汁につけてみて」。おお、この緑、いや翠色を見たときに「取材させてもらおう」と決めたタハラであった。

▲生ワカメ、輝く

▲別の日のランチ

主菜は『鰹の炙りサラダ』、煮物は『野菜の五目炒め煮』。あいだを開けてうかがったのにサラダが続いたのは偶然じゃない。築地で仕入れる魚介類の質はもちろんだが、生でおいしさが光る力強い野菜こそ『一声』の大きな魅力なのだ。

▲春の波濤、どーん!

▲昼のメニューは3種類……?

▲……どころじゃない!

■大将・横島正典さんにうかがった

横島さんは高校を卒業してすぐに日本料理の世界に飛び込んだ。ご実家は茨城県の農家だが「手に職をつけたい、遠くに行きたい」との想いから、広島の有名和食グループで修行をスタート。そう、『一声』の和食は広島仕込みで、フグや牡蠣、鱧(ハモ)の扱いはお手のものだ。

▲割烹の「烹」

烹とは「煮炊きの技」。釜飯をこしらえる過程を観察して(食べてないんです、残念)、火力の調整や蓋をするタイミングに「職人の技」を感じた。さぞやおいしかろう。

横島さんが修行を積んだ会社は東京にも多くの店を出している。銀座、新橋、新宿などで厳しいお客さんに鍛えられて腕を磨いた。13年の修行を終えて独立し、奥さんといっしょに店舗の設計から関わったのが『一声』だ。「うぶ声・初心」の意味が込められた店名である。

▲味で語る大将・横島正典さん

魚や野菜のおいしさや料理の技術、広島風の和食を楽しめること、そして価格を大きく上回るランチの値打ち。『一声』にはさまざまな特徴があるが、それを宣伝・誇示する素振りはない。このあたりに大将の職人気質が伺われるが、ひとつだけ、タハラが(叶うならフォントを大にして)伝えたいことがある。
「米も野菜も茨城県常総市の産ですが、じつは88歳の父が作ってくれているんです」(横島さん)。それは言わなきゃ!
しかも『一声』の季節の献立に合わせて、種まきや収穫の時期を調整してくれているそうだ。おいしさの深さに、納得!

▲倅(せがれ)のための力強い野菜

(※金額はすべて税込みです)
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『釜飯 割烹 一声』

 

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『釜飯 割烹 一声』
住所:東京都板橋区南常盤台1-26-12
グーグルマップ → こちらのV
最寄り駅:東武東上線『ときわ台』駅
南口改札から約100メートル(途中に踏切あり)
北口出口から約150メートル(踏切なし)
電話:03-3974-3848
営業時間:ランチ 11時30分から14時30分(L.O.14時)
ディナー 17時から23時(L.O.22時30分)
席数:カウンター 4席
テーブル 10席
座席 約30席
定休日:水曜日(祭日の場合は営業)
喫煙可
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(■029 取材日:2015年3月16日)

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