グルメ

漬物の老舗『坂井善三商店』で天井を見上げる 板橋区

▲ぬか床は60年もの!

 

東京都板橋区の漬物専門店・『坂井善三商店』を紹介する。
東武東上線中板橋駅・北口改札を出て、線路を右手に見るかたちで50メートルほど進み、「なかいた」のアーチをくぐって直進。ひとつめの信号(角にオリジン弁当)を左折し、最初の交差点(角に牛繁)を右折。角から4軒め、青いのれんの店舗が坂井善三商店だ。駅からは約250メートル。

 

▲2014年秋、大改装で生まれ変わった店舗

区民が選定する「板橋のいっぴん」にいち早く選ばれたのが『今日の浅漬け』。旬の野菜をつかった浅漬けが、日によって5~10種類が並ぶ。あっさりして食べやすい軽さに老舗の歴史を感じさせる職人技が加わって、まさに「塩梅」の妙を味わえる。
保存料や着色料は不使用。厳選された天日塩とアルカリイオン水を柱に、二代目の坂井清峰さん・祐江さんご夫妻の探究心が、日々新たな漬物を生み出している。

▲ずらりと並んだ新鮮な浅漬け。

▲「今日の浅漬け」のひとつ、「昆布白菜」は240円(込)

▲2014年からの新製品、柚子(ゆず)トマトは420円(込)
『アド街ック天国』でも大絶賛。

二代目の清峰さんにうかがった。
「柚子トマトのきっかけはお客さんからのリクエストでした。最初はトマトなんて邪道だ! と思ったのですが、京都で二十軒以上の漬物屋さんを試食して巡り、試行錯誤の末に自信作が完成しました」。
柚子果汁は馬路村のさっぱりしたものと越生の濃厚なもののブレンド。寒天ジュレがトマトを包み込んで、単品のデザートとしていただいても十分おいしい。

▲天井を見上げると……

屋号でもある初代・坂井善三さんは現在85歳で、体調のよいときにはお店に顔を出す。
63年前に善三さんが最初の店を建てたとき、故郷の新潟から木材を運び込み、大工さんも呼び寄せたという。「凝る人」なのだ。
今回の大改装で思い切って二階の床を取り払ったため、店内から当時のままの屋根板を見ることができるようになった。

店舗を外から見ると、「漬物」とはどこにも書かれていない。
「蕎麦屋などの和食の店と勘違いして入ってくるお客さんもけっこう……」と清峰さんが教えてくれた。
「昔からのお馴染みのお客さんにゆっくり、ゆったりしてほしい。それをいちばんに考えて改装に踏み切ったんですよ」
その狙いどおり、坂井善三商店はお客さんがゆったりできる店になった。しかし、予想外の変化も起きたという。
「まえはメーカー製の千枚漬けが月に100パックくらい売れてたんです。でも改装後はほとんど売れなくなって、月に2~3パックになっちゃいました」。
お店は改装前と変わらず、庶民価格を守っている。しかし、商品にふさわしい外観が備わったことで、お客さんのほうが「本物」を求めるようになったのだろう。

▲二代目の坂井清峰さん・祐江さんご夫妻

▲お向かいは『惣菜処 日乃出屋』。炊きたてのごはんとこの2軒があればもう、ね。

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住所:東京都板橋区中板橋15-13
グーグルマップ → こちらのB
電話:03-3961-8924
FAX:03-5375-6269
営業時間:10時30分~19時
定休日:火曜日(毎月最終週は月曜日も)
地方発送:あり
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【■002 取材日:2015.1.12】

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