大分県

井上愛仁ガラス展「KAGUYA」は、竹と水面の癒し

大分県竹田市久住町の吹きガラス工房「マグマグラススタジオ」を主宰するガラスクリエイターの井上愛仁(なるひと)さん(36歳)は、2016年11月10日(木)から16日(水)まで、池袋東武百貨店で、井上愛仁ガラス展-KAGUYA- を開催する。

マグマグラススタジオは、2016年4月の熊本・大分地震では、溶解炉や作業窯等の被害はなく安堵したものの、作品がガラスだけに、地震による風評被害をまともに受けた。そのため、ゴールデンウィークが終わるまでを休業とし、5月11日(水)から営業を再開した。
そして、井上さんは、オープンしてすぐに「竹田だからこそ、の作品を」と試作を重ねてきた「KAGUYA」を誕生させた。
今回のガラス展は、その「KAGUYA」のシリーズがメインで、熊本・大分地震後では、井上さん自身、初の個展開催となる。
「KAGUYA」は、熱したガラスを成型するのに、地元の竹筒を円状に組み合わせて作った型枠を使う。まさに、竹田オリジナルだ。
この竹の型枠をベースに誕生したのが「KAGUYA」だ。竹から生まれた「かぐや姫」ならぬ、竹から生まれた「KAGUYA」だ。
「KAGUYA」シリーズは、成型後も、ラインというかスジというか、竹を組み合わせたが故の型跡が残るが、井上さんは、この型枠に目を付けた。「KAGUYA」は、この型跡がシンボルと言っても過言ではない。これは酒器、ぐい飲みだが、縦にスーッと残った型跡のおかげで、実に持ちやすく、指先へのフイット感が心地よい。しかも、測ったようなまん丸ではないところに、なぜかホッと心が和む。まさに、器に酔い、酒に酔う、だ。
この杯も、しかり。器に酔いながら、酒を愛でよう。
「KAGUYA」シリーズには、「minamo」シリーズがある。菓子器に銘々皿だ。
これも、竹筒で成型する。成型しては加熱、そして成型、再び加熱と、この流れを数回繰り返す。


そして最終的にこういう形に。これが「minamo」だ。
「minamo」とは水面。残ったライン、型跡がこんこんと湧き出す湧水、透明感のある水面を思わせる。湧水自慢の竹田市ならではで、その形、色合いに癒される。サイズは、幅(W)、奥行き(D)とも約22センチメートルで、高さ(H)は3.5センチメートル。お茶席でも運びやすいサイズとなっている。
実はこの「minamo」の菓子器は、2016年11月18日(金)~11月20日(日)に竹田市で開催される「2016竹楽」のオリジナル記念品として、30個の数量限定で販売されことが決まった。
「竹楽」は、今年で17回を数えるが、オリジナル記念品の販売は、2015年から始まり、今回が2回目。監修は竹田市在住の竹藝家・中臣一さんで、売り上げの一部は、昨年同様、NPO法人「里山保全竹活用百人会」の竹楽や里山保全活動に充てられる。
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2016竹楽オリジナル記念品「minamoの菓子器」(限定30個)
料金:3万円(桐箱入り・送料、税込)
事前申し込み:NPO法人里山保全竹活用百人会(0974-63-2638)

井上さんは、これまでを振り返り、「工房をオープンした当初は、吹きガラスを通して、竹田市のために、私にできることをやろう、と思い続けてきましたが、今は、そうじゃないんです。今は、私自身が、この工房そのものが、地域に育てられているんだ、と思えるんです。感謝の気持ちでいっぱいです」と話してくれた。
さらに井上さんは、「KAGUYAもminamoも、竹で作ったんじゃなく、竹から生まれたんだって思えるようになってきたんです。自然体っていうのかな」とも。
<イベント情報>
■井上愛仁ガラス展-KAGUYA-
http://www.tobu-dept.jp/ikebukuro/shop/108251301/#shopnews
期間:2016年111月10日(木)~16日(水)
会場:池袋「東武」6F1番地 工芸サロン
住所:東京都豊島区西池袋1-1-25(必須)
電話:03-5951-5742(工芸サロン)
時間:10:00~20:00(16日~16:00)

■竹楽
https://www.city.taketa.oita.jp/tikuraku/

<スポット情報>
■吹きガラス工房「マグマグラススタジオ」
http://magma-g.com/
住所:大分県竹田市久住町久住3987(久住高原さやか隣接)
電話:0974-76-1878
営業時間:10:00~17:00
定休日:火曜日
駐車場:30台

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